単衣の季節

まだ5月なのに、暑い日が続きますね。今年はいつもより暑く感じます。横浜は4月に25℃を超す夏日は例年は1日くらいですが、今年は覚えているだけで4日はありました。

5月に入ってからはすぐに初夏の陽気となり、お稽古でもエアコンを使わざるをえないくらいです。

例年ですと、5月の連休明けから単衣を着用するのですが、今年は4月の半ばから単衣が大活躍しています。

 

伝統的なきものの衣更えは、礼装(フォーマル)やお茶席などのいわゆる「きちんとしなければならないとき」の服装です。「式」と名のつくものや、しきたりを重んじる習い事などではこのようなTPOに従いますが、そうではないカジュアルなときは、私は自分の体感で着るものを決めて良いと思っています。

 

「22℃が袷と単衣の境目、27℃が単衣と薄物の境目」

 

今年の横浜は4月の上旬から22℃を超す日が多かったので、単衣にしました。

とはいうものの、小紋や色無地などのやわらか物の単衣だと、さすがに4月は生地の薄さが目立つような気がして、私はもっぱら紬の単衣を着用しました。

紬の単衣は軽いし、生地もふんわりしていて気に入っています。

5月に入ると紬の単衣も暑いので、やわらか物の単衣です。また麻小紋という、麻生地に小紋柄を染めてあるものも熱がこもらず、重宝です。

 

単衣の着用時期は長く、私は4月・5月・6月前半・10月・11月前半と1年の3分の1は単衣です。

 

そして単衣の時期は半衿・帯揚げ・帯締めも悩みどころですね。

半衿と帯揚げは、私は楊柳の生地が気に入っています。

縮緬だとちょっともったりしているけれど、絽目のあるものだと透け感がありすぎ、というときには縦シボのある楊柳はちょうどよくて、見た目にも程よい爽やかさも感じます。

 

分かりづらくて恐縮ですが、写真は私が単衣のときによく使う半衿と帯揚げです。

上3枚が半衿、下3枚が帯揚げです。それぞれ左の2枚が楊柳で、一番右が擬紗と呼ばれる透け感の少ない素材です。

帯揚げでは楊柳以外にも、薄手の綸子なども良いですね。

帯揚げや半衿には、絽縮緬といったものもあります。個人的には絽縮緬は絽目があるので、6月かなあ、という印象を持っています。

 

帯締めも爽やかな色合いのものや細いもの、透け感の少ないものを用いています。

冠の帯締めは通年使えますが、幅が細めの方が気温が高くなってからの季節には合うように思います。

 

礼装ではないので「こうでなくてはならない」というものはなく、半衿・帯揚げ・帯締めなどはいずれも視覚的印象をもとにご自分の感覚で決めてよいと思います。

ただ、半衿が絽なのに帯揚げが縮緬、というのはちぐはぐな印象になってしまいますから、半衿・帯揚げ・帯締めの季節感は統一するとすっきりとした印象になると思います。

 

小物も細かくこだわれば奥が深く、際限ないです。それもまた、きものの楽しみですね。