下駄の楽しさ

この時期、浴衣とともに下駄が売られているのをよく目にします。だから何となく「下駄は夏に履くもの」と思いがちですが、実は通年履けるのですね。

 

下駄は、洋装でのサンダルやミュールのようなもの、と思えばわかりやすいと思います。

サンダルも、靴下やストッキングを履いても良いし、裸足でも良いですよね。

下駄も同じです。足袋を履いても良いし、裸足でも良いのです。つまり、お洒落だけれど、礼装には向きません。あくまでも、普段用。

 

浴衣のときは裸足で履いて、涼し気に。

長襦袢を着たときは、足袋を履いて、下駄・・・草履ほど気取らずにカジュアル感覚の着物姿になります。小紋や色無地、紬、木綿や麻の着物、など、格式にこだわらない着物なら何でも合わせられる優れものです。

 

下駄の形にもいろいろ種類がありますね。大きく分けて草履と同じ形の「舟形」、舟形と似ているけれど横から見ると土踏まずの部分がくりぬかれている「右近」、いわゆる二枚歯の下駄の「芳町」、これに似ているけれど前の歯が斜めになっている「千両」・・・こんなところでしょうか。

 

一番使い勝手の良いのは、舟形と右近だと思います。なんといっても、歩くのが楽です。

特に舟形は草履と全く同じ形なので、上品さもあります。右近はそれに比べると、若干カジュアルさがある感じ。今はほとんど裏にゴムが張ってあり音も気になりませんから、美術館やレストランでも大丈夫です。

素材も様々で、白木や桐、鎌倉彫、桜皮を張った桜張り・・・などなど。畳表の下駄もありますね。

ここ数か月で手持ちの草履が壊れたり痛んだり・・が続いたこともあり、下駄に気持ちが傾いています。季節や着物の雰囲気に合わせて、選ぶのも楽しいです。

 

写真はねずこの下駄です。カルチャーコースの「着こなし講座」で鼻緒の立て方の実習をしたときのものです。ねずこは軽くて丈夫です。以前はその渋い色合いから、地味・・・と若干敬遠気味でしたが、実際に履いてみると足袋の白さや着物の色柄が映えて、使い勝手がとても良いと実感しました。鼻緒の色も引き立ちます。

 

子どもの頃、新しく買った下駄は鼻緒がきついことが多く、父がよく緩めてくれました。

着こなし講座での鼻緒の実習では、そんなことを思い出しながら、鼻緒を立てました。

自分できつさを調節できると、足も痛くならず履き心地がとてもよくなり、嬉しいですね。

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