後ろ板

今年の冬は、暖かいですね。着物を着ていると、足首まで布があるので寒さを感じませんし、特にお腹回りが冷えないのが良いところではあるのですが・・・。

この暖冬だと、かえって暑さを感じてしまいます。

 

2月半ばには、横浜では17℃を記録しました。

その数日前から、袷(長襦袢は袖無双)ではちょっと汗ばむなぁ~と感じていましたが、さすがに17℃だと、特に室内では袷は暑い!ということで、単衣の長襦袢と単衣の結城紬を出して、しばらくの間着ていました。

 

単衣と一口に言っても、柔らかものの単衣・お召の単衣・紬の単衣・・・とそれぞれ感触が異なります。さすがに柔らかものの単衣では、生地がヒラヒラするので寒々しいかなと思い、紬にしました。

紬でも特に結城紬はふんわりとした風合いで見た目もほっこりして、他の単衣と比べても着心地が暖かいです。例年3月半ば~4月初めと10月末~11月くらいに着用しています。でも今年はこんなに早く出番がくるとは・・・。これから単衣はますます活躍しますね。

 

洋服だと袖の長さとか上にはおるものなどで着る物を調節しやすいからでしょうか、あまり気温を意識しないのですが、きものだと気温に敏感になります。きものは素材の違いはあっても形は一年中同じなので、肌着や着物の裏地の有無などで調節しなければならないからでしょうね。

年々気温の温暖化が進んでいると実感し、どうやって対応しようかと悩みます。

今年の夏も猛暑のようですから、一層暑さ対策を追求していこうと思っています。

(余談ですが、結城の単衣だと、長襦袢との布のそぐい具合が今ひとつです。長襦袢がツルツルして滑りがよいので、きちんと寸法を合わせて仕立てたものでも、袖口から長襦袢が出やすいように思います。通常は長襦袢の袖幅は長着より2分控えますが、もう少し控えた方がよいかな、と感じています。袷だったら、袖裏と長襦袢の生地が沿いやすいのでしょうね。)

 

話は変わりますが、昨年の夏に、着付け師の大先輩から「お太鼓の中をきれいなシルエットにするには、お太鼓の中で後ろ板を手先の中にはさむと良い」と教わりました。

その時は夏だったので、お太鼓の中にさらに帯板を入れると余計に暑くなる・・・と敬遠していたのですが、涼しくなった秋ぐらいから、自分でも試してみました。

うむ、大満足です!

 

ヒップの上の補整が不十分だと、お太鼓の中に折り返して入れた手先が、帯締めを締めるときゅっとくの字にへこんでしまうことがあります。

へこんでしまうと手先の下線が持ち上がってしまい、そのせいでお太鼓の下線もきれいになりにくくなってしまう・・・。

また横から見ると、お太鼓の中がスコンと空いてしまうので、シルエットとしても気になってしまいます。

 

ヒップの上の補整って寸胴に整えるためには必要なのはわかるけれど、ヘタするとしっかりした厚みを作ってしまうから太って見えてしまう・・・という女心から、つい敬遠しがち。

でも特に柔らかい帯だと、帯締めをするとクシャっとシワもよってしまって、かえって着姿がきれいにならず・・・。悩ましいところでした。

 

 


↑の写真は、左が補整を少なくした状態でのお太鼓です。

(ボディに着せたので、思ったより凹凸ができませんでした。)

わかりにくいかもしれませんが、お太鼓の中で帯締めを締めたところがクッとへこんでいます。

帯締めの周りも、シワができています。

 

右が折り返した手先の中に、後ろ板を入れた状態です。(補整はそのまま)

ピシッときれいな手先になっています。

自分でも後ろに帯板(後ろ板)を入れると、ピシッとした感じになって、気持ち良いです。

礼装の時など、より一層お太鼓の中がきれいになります。

もちろん、お洒落着で名古屋帯のときにも使えます。

O先輩、教えていただき、ありがとうございました!

 

後板ですが、よく振袖用に売っていますね。

でも七五三の女児用の帯板でも良いです。

一番上の写真は七五三用帯板ですが、おわかりのように、サイズがいろいろとあります。

だいたい<大>と<小>の2種類のようですね。<大>が5~7歳用、<小>が3~5歳用といったところでしょう。

振袖用後ろ板は、この7歳用のものとほぼ同じサイズでした。

 


↑が、左が後ろ板なし、右が後ろ板あり、の後ろ姿です。

やはり後ろ板を入れた方が、お太鼓の下線がきれいに仕上がります。

お太鼓の下線がきれいになることで、結果的にタレ先もきれいになるということが分かります。

 

今年はより一層、素材や道具(着付け小物)によってシルエットや着心地がどう違うのか、を自分なりに研究してみたいと思っています。

 

ご参考になれば、幸いです。

さらによい方法があれば、ぜひ、ご教示くださいね。

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