さて、衿芯の素材や使い分けについてひと通り確認したところで、実際に使ってみてどのような違いがあるのか、私が感じた範囲でまとめてみたいと思います。
まずはコーリン衿芯です。
コーリンに限らず船底型の衿芯は、一般的には、この向きで使うことが多いですね。
この上下の向きを説明するときによく使う表現が、
「衿芯を平らに置いたとき、くびれている方を、首の付け根側になるようにする」
「先端の丸みが上」
などです。
コーリンだと、衿芯の先端に<コーリン>と印字されているので、その文字の向きで確認することができます。
でも当然ですが、コーリン以外の衿芯では、文字による確認はできません。
船底型のカーブが、きれいな衿元、衣紋の抜き具合を作ってくれます。
コーリン衿芯を、上下逆に入れてみました。
船底型の衿芯は、上下の向きを逆にして使うこともできます。
この衿芯の向きは、よく「先端が新幹線のような形」と言われます。
新幹線に似た形にして半衿に差し込む、ということですね。
上下逆にして何が違うかというと、首回りに余裕ができます。
写真だとその違いがわかりにくいかと思いますが、実際に長襦袢を着てみると、着心地が全く違います。
写真でも、首の両側に空間ができています。
首の長さとか肉のつき方や肩のラインなどの体形によって、一般的な向きでは「衿が詰まる」と感じることがあります。
その場合は、上下を逆にすると、首回りがゆったりしますよ。
また、ゆったりとした衿元の方が好き、という個人の好みもありますね。
いずれにせよ、自分が「この方がラク」「着心地が良い」と感じる向きで、船底型衿芯を使うと良いでしょう。
今回はコーリン衿芯を代表とする、一般的な船底型のポリエチレンの衿芯について、でした。
お読みくださり、ありがとうございます。
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