1月最大のイベント、成人式も終わってホッとした状態で日々を過ごしていたら、気づいたら節分もすぎ、春一番も吹きました。
日差しにも春の訪れを少しずつ感じるこの頃です。
少し時間が経過しましたが・・・今年の成人式は直前まで式が開催されるのか、あるいは中止になるのかと落ち着かない気持ちでした。
開催されると決まった以上、着付け師として当日は全力で頑張るのみ。
着付けをしながら、新成人の方々は不安を感じながらの成人式で心から楽しむことが難しくて大変だなと、お気の毒に思いました。
そして開催の是非は別にして、振袖の美しさを実感した一日でもありました。
きものって、やっぱり日本が誇る民族衣装ですね。
さて、今回は「クリップつき伊達締め」についてのひとり言。
「金具つき伊達締め」「シャーリング伊達締め(クリップ付)」といった名称でも売られていますね。
コーリンベルトと伊達締めが一体化したもので、基本的には長着の衿合わせのときに使います。
クリップは伊達締めの幅半分のところではなく、片方に寄っています。
余白が多い方を上にして使います。
あづま姿のHPなどで使い方を見ると、基本はコーリンベルトと同様にして右手で下前の衿をつまみ、左側のクリップを左手で持って身八つ口から通して、下前の衿からクリップで留めます。
クリップより下のおはしょりをたくし上げ、その後右側のクリップで上前の衿を留めます。
・・・と説明されていますね。
着付けを習っていた頃、試しにこの通りに使ってみたことがあります。
当時は着付け技術が未熟だったこともありますが、どうしても上前の衿を整えている間に、たくし上げたおはしょりがズルズルと落ちてきてしまい、苦戦した記憶があります。
使い慣れていればよいのかもしれませんが、私の場合、先に上前の衿を整えてクリップを留めてから、下前の衿にとりかかった方が上手にできました。
でも結局、慣れないまま使わずに放置していました・・・。
先日久しぶりに自分自身に使ってみたら、力の加減とか手際など手の使い方が昔より上達していたので、どちらの衿から始めても問題なくできました。
ただやはり上前からクリップを留める方が、やりやすく感じましたが・・・。
どちらの衿からでも、やりやすい方から始めてよいかな、と思います。
今回このクリップ付き伊達締めを取り上げたのは、これ以外にも使い方があると知ったので、いろいろと試してみたから。
なんと、伊達締めは長襦袢に使い、クリップは長着の衿に使う、というもの!
初めて知ったときは「えっ、まさか!」と思ったのですが、試してみると「なるほど~」でした。
実際に自分自身で試してみたところ・・・。
↑では、長襦袢に伊達締めを結びますが、クリップは伊達締めの「外側」。
これで長着を着付けました。
クリップの位置としては問題ないと感じましたが、クリップの表・裏が逆になるので長着の衿を留めるときにゴム部分をねじる必要がありました。
ゴムをねじらなくても衿を留めることはできますが、クリップの開閉がちょっと使いづらい・・・。
次に試したのは、↑のようにクリップを内側にして伊達締めを巻き、クリップは伊達締めの下から出すという方法。
クリップはすんなり伊達締めから出ています。問題なく衿も留められました。
先ほどの「クリップが伊達締めの外側」のときよりも、長着の衿を留める位置が下方になります。
さらに、クリップを伊達締めの上から出す方法も試してみました。
(この場合は伊達締めの上下を逆にし、余白の多い方を下にしました。その方がクリップを出しやすいかと。)
長襦袢に当てる伊達締めは、基本は「胸のすぐ下」なので、そうすると伊達締めの上線からクリップを出すと、長着の衿を留める位置がウエストよりだいぶ上になってしまいます。
これを解消するには長襦袢の伊達締めの位置を下げる必要がありますね。
実際に試してみた結果、どのやり方でも衿合わせが崩れたりすることはなく、一日中問題なく過ごせました。
個人的には「クリップを伊達締めの内側にして、下から出す」方法が一番やりやすいと感じました。
あとは手順の問題。
長襦袢に伊達締めを巻いているので、クリップ部分は身体からそれほど離れません。
だからクリップで留めた後に下前のおはしょりをたくしあげるとき、いつもは左手でたくし上げるのですがそれだと若干窮屈さを感じたので、右手でたくし上げました。
まぁ、先にたくし上げてからクリップで留めてもよいと思います。
・・・慣れですね。
また当たり前ですが、長着の後ろ姿は
←のようになりますから、胸紐を当てて伊達締めをする、あるいは胸紐なしで伊達締めをする必要があります。
今回は、この辺で。
お付き合いくださり、ありがとうございました。
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