先日の地震、久々の大きな揺れでビックリしました。
皆さまのところは被害は大丈夫でしたでしょうか。
あらためて災害用の備蓄を点検しておかなければ、と肝に銘じました。
クリップつき伊達締めについて、気づいたことをもう少し。
クリップを長着の衿を留めるのに使うと、当然ですが背中部分には何もありません。
←の写真のような、背中がダボっとした状態で伊達締めを締めることになります。
コーリンベルトや胸紐を当てていれば、後ろ身頃をおさえてくれるので、伊達締めを締める前に背中のシワを伸ばしておくことができます。
そうしておけば、伊達締めを締めて多少シワができたとしても、伸ばすのはそれほど面倒ではありません。
でもクリップつき伊達締めだと、この「伊達締めを締める前に背中のシワを伸ばす」というステップがなくなります。
背中に何もない状態で伊達締めを締めるので、いつも通りの感じで伊達締めを締めるとすごくシワができやすい!
なるべく背中にシワができないように、背中で交差するときはより注意が必要だと感じました。
そして、クリップつき伊達締めのもう1つの使い方。
長襦袢の衿にクリップを留めてそのまま伊達締めを締める、というもの!
つまり、長襦袢に胸紐は不要。
それでもしっかり衿合わせはできて、一日中崩れませんでした!
特に胸が大きい人や胸板が薄い人など、「衿合わせが開きやすい人」にはオススメです。
この場合、クリップは胸のすぐ下ではなく、ウエストに近い位置の方が安定するように感じました。
そういえば「コーリン結び」という長襦袢に使うクリップつき胸紐も、割と下の方(=衿先の方)でクリップを留めますね。あれと似ています。
長襦袢にクリップを使うので、クリップが身体に当たって痛いのでは?と使う前は疑問に思っていましたが、全くそんなことはありませんでした。
クリップがあること自体、意識しませんでした。
(ぜい肉があるから・・・?)
基本は長着に使うクリップつき伊達締めですが、使い方はいろいろありますね。
まとめてみると
① 長着の衿にクリップ、そのまま長着に伊達締めを締める。(←基本の使い方)
② 胸紐をした長襦袢に伊達締めとして使う。クリップは伊達締めの下(あるいは上)から出して、長着の衿を留める。(長着には別の伊達締めを使う。)
⇒ 半幅帯など、後ろで帯の上線からコーリンベルトが出やすいときにはオススメ。
③ 長襦袢の衿にクリップを留め、そのまま伊達締めを締める。(長襦袢に胸紐は使わない。長着の衿にはコーリンベルトや胸紐、あるいは別のクリップつき伊達締めを使う。)
⇒ 長襦袢の衿合わせが開きやすい人にオススメ。
の3通り、といったところでしょうか。
どの使い方をするか、それは好みだと思います。
③は自装でなるべく紐の本数を少なくしたい方には、良いかもしれませんね。
でも出張着付けでこのクリップつき伊達締めをお客様がお持ちのときは、お客様の体型や紐の本数などを考慮する必要があるなと感じました。
例えば胸の大きい方で紐の本数に余裕がなければ③。
体型にかかわらず紐の本数に余裕があれば②にして、長着に胸紐を1本加える。
・・・というふうに。
いろいろな使い方を知っておくと、着付け現場で対応しやすくなりますね。
そして、前回・今回ともおはしょりの長さを調整しない場合の着付けです。
おはしょりが長いときは・・・?
次回、少し触れたいと思います。
今回もお付き合いくださり、ありがとうございました。
<(_ _)>