3月の卒業シーズンと4月の入学式は、出張着付けのご依頼を多くいただき、ありがたいことでした。
数年前に比べて、お着物をお召しになって卒業(卒園)・入学(入園)式に参列されるお母様が増えたように感じます。
フォーマルウェアに何を着ようかと悩まれる際、選択肢の中に和装が入っているとお洒落の幅も広がって素敵ですね。
肩ひじ張らずに着物で参列・・・これからも定着していってほしいと思います。
さてさて、前回に引き続き、クリップ付き伊達締めです。
前回までは「おはしょりの長さ調節なし」での使い方でした。
マイ寸法のお着物であれば、おはしょりの長さもちょうど良いはず。
おはしょりは自然と右上がりになりますね。
でも昔と違って今は「まっすぐなおはしょり」が流行りです。
そのようなまっすぐなおはしょりの着姿にするために、身丈を長くして誂えることもあります。
自装(=自分で着る)の際、おはしょりの長さを調節するのは個人的には面倒に感じているので、私はあまり身丈の長すぎる着物を着ませんが、これも人それぞれの好みですよね。
クリップ付き伊達締めで、おはしょりの長さを調節するときはどうするか、確認してみました。
↑は、左から、
クリップを留めて、伊達締めを締める ⇒ 伊達締めの下線をめくる ⇒ おはしょりを持ち上げる ⇒ めくった伊達締めを下ろす
という手順でおはしょりを調節しました。
←後ろ部分ははさんだだけ。
←脇もはさみます。
余分な部分はお太鼓で隠れるよう、後ろに持っていっています。
自装ですから、ある程度のシワができるのは仕方ありませんね。
おはしょりの長さを「ほんの少し」調節するのであれば、このように伊達締めをめくってはさみこむ方法でも良いと思います。
でももっとしっかり、そしてきれいに調節したい場合は、紐をプラスした方が良いですね。
クリップで留めた後、胸紐を追加します。
いつもの胸紐の時と同様に、おはしょりの長さを調節します。
(後ろは紐にはさみ、前はクリップで留める。慣れていれば、前はクリップなしで、手で押さえておいてもよいでしょう。)
持ち上げるおはしょりが多い場合は、胸紐を使った方が安定します。
個人的には、↑の一番左のような、伊達締めがぶら下がっている状態が少々煩わしく感じてしまいました。
そのため、長襦袢にクリップを下に出した状態で伊達締めを締めて、クリップだけ長着につけるやり方にしました。
←長襦袢に伊達締め。
クリップは下に出しています。
←クリップを身八つ口から出して長着の衿を留めた後、胸紐を当てました。
あとはいつも通り、おはしょりを調整して、伊達締めを締めます。
どちらのやり方でもあまり仕上がりに違いはないので、好みだと思います。
要するに、クリップ付き伊達締めでもおはしょりの長さを調整できる、ということを確認したかったのでした。
( ´∀` )
余談ですが、クリップ付き伊達締めには2種類あって、クリップの形状が異なります。
←で白の伊達締めのクリップが、「スーパークリップ」というもので、こちらの方が断然使いやすいです。
クリップの開閉時に爪が引っかかることなく、とてもスムーズです。
昨年末からクリップ付き伊達締めを、使用感を確かめたくて使うことが多くなりました。
以前は戸惑っていましたが、使い慣れてくれば便利な小物だと実感しています。
着付け小物も様々なものがあります。
いろいろと試してみて、気に入ったものに出会えるとよいですね。
今回もお読みくださり、ありがとうございました。
<(_ _)>