お稽古ではしょっちゅう取り上げている《角出し》ですが、実は私自身は全く結んでいませんでした。
一番の理由は「手先の長さが足りないから(!)」。
私の胴回りでは、通常の長さの帯だと、フツーのお太鼓も手先から巻くやり方では足りません・・・(恥)。
だからお太鼓を先に背負う《カルチャー巻き》が私にとっては大助かりなのです・・・。(^_^;)
(長尺の帯だと手先から巻く方法で結べるので、たま~に手先から巻きますが、そもそも長尺の帯をそれほど持っていない・・・。)
ましてや《角出し》はお太鼓以上に手先の長さが必要です。
ムリ…。(´;ω;`)ウゥゥ
というわけで私自身は長らく敬遠していた帯結びでしたが、この夏はとうとう「角出しデビュー」することにいたしました。

そもそも、角出しデビューすることにしたのは、↑の組み合わせを着たいから。
グレーの麻の葉模様の絽の小紋と八寸名古屋の博多の夏帯。
5年くらい前から、この組み合わせで着用しています。
ところが昨年の夏の暑さで、初めて帯の色が着物に色移りしてしまいました!
帯枕の形にくっきりと・・・!
それまでずーっとこの組み合わせで平気だったのに・・・!
(´;ω;`)ウゥゥ
昨年から夏の暑さが一段と厳しくなり、35℃越えや40℃の気温も珍しくなくなりました。
そして昨年何回か↑を着用してみて分かったのは、30℃を超えては大丈夫だけれど、どうやら35℃を超えると色移りしてしまう、ということ。
やはり35℃を超える気温だと、汗をかく量が尋常ではないのですね。
ちなみにこの絽小紋ですが、カルチャーで購入した「ウォッシャブルシルク」なので、正絹ですが家庭の洗濯機で洗えます。
このときほどウォッシャブルシルクの有難さを実感したことはありません・・。
鮮やかな紺色のシミは、ウタマロ石鹸を使ったらきれいに落ちました!!

↑、もはやシミの跡形もありません。
この絽小紋と博多の夏帯の組み合わせはとても気に入っているので、今年も着用したいと思ったのですが、今年の夏は昨年以上の猛暑。
う~む、どうしよう・・・と7月は悩みました。
また色移りすることを覚悟するか・・・?
ちなみに日ごろからお世話になっている「まわたさん」に色移りを防ぐ加工ってありますか?とお聞きしたら、「ない」とにべもなくお答えくださいました・・・。
帯枕部分の色移りを防ぐには、ちょうど帯枕が当たる部分に別の布を縫い付け、帯と着物の間でその布が色移りを防ぐようにするくらいしか、対処法はないのだそうです。
これはこれでとてもありがたいアドバイスだったのですけれど、縫い付ける決心がなかなかつかず(←面倒くさがりな私)。
縫い付けたところで、この夏は暑いしなぁ・・・。
そこで思いついたのが《角出し》というわけです。
《角出し》ならそもそも帯枕を使わないから色移りも起こらないし、帯枕が無い分、背中も涼しい!
一石二鳥なのでは・・・?
というわけで
「そうだ、《角出し》を結ぼう」
となりました。(⌒∇⌒)/
でもここで、最大のカベ。
「手先の長さが足りない・・・」(´;ω;`)ウゥゥ
でも、ふと思いついたのが、
「《カルチャー巻き》は胴帯をふた巻きせずにひと巻きなのだから、それと同じことが≪角出し≫でもできるのでは?」
ということ。
「できるハズ」と思い、早速結んでみることにしました。
・・・それが夏のお食事会の日のこと。
当日はぶっつけ本番で、やってみました。
手先を長めにとって肩に置き、体にひと巻き。
予想以上に時間がかかり、遅れそうになったので強引に形を作りました。
・・・そうしたら、お太鼓のヘンな位置に折り目が出てしまいました・・・(反省)。
だから当日の私の着姿は我ながら恥ずかしい仕上がりです・・・(^_^;)・・・。
そこからいろいろと工夫しました。
取り組むこと1か月近く。
ようやく八寸名古屋帯のパターンと、九寸名古屋帯のパターンで、自装の≪ふくよかさん向け角出し≫ができあがりました!

↑、紗の博多の八寸名古屋帯。
母から譲り受けたものなので、相当昔の帯です。
長さも短い。
でも胴にひと巻きなら、全く問題ナシ。
そのような訳で、今月は≪角出し≫ばかりを結んでいました。
背中がラク!(⌒∇⌒)
≪角出し≫では通常のお太鼓用の帯枕は使いませんが、≪角出し用帯枕≫は時々使ってみました。
↓が「角出し用」または「角出しにも使える」帯枕。
夏帯は生地が薄いので、角出し用帯枕があるとお太鼓部分の「ペシャンコ感」は減らせるように思いました。
お太鼓の形や大きさは好みもあるので、使っても使わなくても、どちらでもよいと思います。

8月は≪角出し≫、そしてなでしこ会用に≪半幅帯のパタパタ結び≫に取り組んだ1か月でした。
両方ともじっくり取り組んだおかげで、自分の中で達成感!
今回もお付き合いくださり、ありがとうございました。
まだまだ厳しい暑さが続きますが、どうぞご自愛くださいませ。
<(_ _)>